【 新たな機能や価値をプラスし、建て替えで生まれ変わった寺院本堂 】の施工実績

数年前より既存本堂の屋根が老朽化し、一部が沈んでしまっていました。
このままでは近い将来に崩壊し、けが人が出る危険性がありましたので、まず急いで解体だけを行いました。

弘誓寺様は檀家さんが少なく、資金的に大変苦労をされていました。
解体の時点で新築のお見積もりもお出ししたのですが、やはり資金的に苦しいという事で保留になりました。その後、5年ほど本堂が建設される事なく過ぎていきましたが、やはりそれでは寂しいという事で再び何とか建築しようという動きになりました。

しかし、屋根が大きくて重い従来の寺院建築の方法では、屋根自体の工事だけでなく耐震対策という面でもお金がかかり、予算を圧迫してしまいます。そこで、資金的にも耐震的にもクリアできるように、屋根の形を変える提案を致しました。このプランはご住職も檀家さんたちにも支持を受け、一気に本堂建築への道が開いたのでした。

屋根の形状の他にも色々工夫をしてあります。
本堂は仏事を執り行う内陣の他に、8畳の控え室やキッチン、トイレ、倉庫など集会場的な機能をプラスしました。法事やお葬式などに利用して頂けます。
又、寺院はお年寄りの方のご利用が多いかと思いますので、利用しやすいようにアプローチの階段脇にスロープを設け、玄関と内陣以外の場所は全てバリアフリーとしてあります。

構造面では、まず屋根を軽量化するために「方形」とし、瓦の枚数を大幅に減らしました。
又、むくり屋根（屋根の傾斜が外側にふくらんでいる屋根）にしましたので、訪れた方に優しい印象を与える事と思います。
9本の主な柱には8寸角の桧（ヒノキ）を使い、差し鴨居と梁を構造用合板で繋ぐ事で、ラーメン構造に近い剛構造にしました。

こうした工夫の結果、立派な本堂が完成し、ご住職はもちろん檀家の皆様にも大変喜んで頂く事が出来ました。